【神否荘の困った悪党たち】第８０話 あうちっ【オリジナル小説】

■あらすじ
エキサイティングがひたすらおぽおぽ言ってる。

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第８１話→https://sakatatsunorou.blogspot.com/2020/09/blog-post_24.html



【第８０話　あうちっ】は追記からどうぞ。

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第８０話　あうちっ

「あ。孫君……じゃなかった、ぬほほ見つけたっすよ～！」

　エキサイティングがひたすらおぽおぽ言いながら飛び跳ねているのを背景に、にゃんことおてて合わせに集中していた俺は、前転しながら現れた何者かに全身の産毛を逆立てて腰を抜かした。

「おほほい」腰を抜かして変な声が出た。「あっ、えっと、よく見たらラヴファイヤー君だな？」

「そうっすよ！」前転したまま通り過ぎて、木にぶつかると、「あいたぁーっ！」と言いながら動かなくなった。

　俺はどうしたら良いんだ。

「えぇっと……ラヴファイヤー君、死んだ……？」登場して間も無く死ぬキャラなんて前代未聞だけど……「生きてる……？」

「……」ラヴファイヤー君が反応しない。

「ぬほほ、よく聞くにゃ」にゃんこがラヴファイヤー君の体をテシテシと叩く。「こいつは死んでるにゃ」うせやろ……

「えっ……まじ死に……？？」そんな事有るの？？

「当たり所が悪くて即死してるにゃ」何で前転で登場したのこの人？？？「これで残りはアウトサイダーロードだけにゃ……！」えっ、まじでこれで出番終わりなのラヴファイヤー君？？？

「嘘ぉ……流石にこれで終わりとか流石に……」言葉が出てこない。「ん？　じゃあもしかしてアウトサイダーロードもこんな感じで死ぬ可能性が微レ存……？？」難易度どうなってるんだ。

「フハハハ！　騙されたっすね、ぬほほ！！」この声は！！

　振り返ると、別の場所からラヴファイヤー君が前転しながら現れた！！

「二人目のラヴファイヤー君が！」何で前転で？？

「喰らうっす！　ローリングアタック！！」まるでスーパーゴリラみたいな攻撃！！「うおおーっす！！」

　二人目のラヴファイヤー君が前転しながら向かってくるので、よそそっと躱したら、木にぶつかって「あいたぁーっ！」って言って動かなくなった。

　ラヴファイヤー君の死体が二つになった。

「ちょっと待って、俺もうこのゲームの狂気性に充てられてダメなんだけど」バグかな？？　ってぐらい酷い。「もう怖い。絶対来るでしょ第三波。ラヴファイヤー君、絶対に懲りずに前転で現れる流れだよこれ」

「流石師匠……！　じゃにゃかった、流石ぬほほ！！　歴戦のハンターだけあって、考え方が常軌を逸してるにゃ！！」そこはせめて言葉を選んで欲しかった味は有る。「次はどこから来るかも分かるにゃ！？」流石にそれは分からないかな……

　とかモダモダしてると、再び「フゥーウフハハハ！　騙さされれたっすねへへほほ！」バグった音声が！！

　振り返ると、三人のラヴファイヤー君が前転しながら突っ込んでくる！！

「こ、これは……！」横に並んでるから躱せない……！！「にゃんこ、俺はもうダメだ、ここで死ぬやも知れん……」

「諦めちゃダメにゃ！！　あのローリングアタックを躱せにゃいようじゃ、アウトサイダーロードは斃せにゃいにゃ！」うーんこのガバガバ難易度。

　ラヴファイヤー君の一人が俺に激突した！

「あうちっ」「あいたぁーっ！」俺とラヴファイヤー君の悲鳴が重なる！

　俺は尻餅をつき、ラヴファイヤー君は動かなくなっていた。おかしいやろ……

「えぇ……ちょっと待って、ラヴファイヤー君、分身し過ぎたせいでもしかして耐久度紙切れなのこれ……？？」俺あんまり痛くなかったよ……？？「てか遂に三体連続で来たけど、これもしかしてボス戦的なアレだったりする？？」

「間違いにゃいにゃ……ラヴファイヤーの攻撃を受けてるにゃ……！」それは遥か太古から分かってました。「ヤバいにゃ……どこからかローリングアタックを仕掛けてくる気配がするにゃ……我輩の千里眼が告げてるにゃ……！」もっと早く教えて欲しかった……！

「ホーヒヒヒ！！　のべべぬっふふふはははひひ！！」

　壊れた音声を奏でながらラヴファイヤー君がぁー何か視界一杯に雪崩れ込んでくるぅー！

「びゃーっ、怖い怖いもう絵面がホラー！！」俺は何のゲームをしているんだ！！

「アレは喰らったら不味いにゃ！！　ぬほほ、何とかして躱すにゃ！！」喰らったら不味いのにアドヴァイスが雑いよ～！！

「どどどどうやって躱せば……！」とか言ってる間にラヴファイヤー君の塊がぶつかってくるぅーっ！「あいたた」ぼこぼこぶつかるぅー！

「「「「「「「「「「あいたぁーっ！」」」」」」」」」」

　ラヴファイヤー君の唱和が響き渡って、辺り一杯に動かなくなったラヴファイヤー君が。

　……これがもう何のゲームでも良いから俺早く帰りたいです。