2021年5月25日火曜日

【神否荘の困った悪党たち】第89話 スマフォーンの問題【オリジナル小説】

■あらすじ
意思疎通チャレンジ。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。



【第89話 スマフォーンの問題】は追記からどうぞ。

第89話 スマフォーンの問題


「亞贄く~ん、ちょっとお願いしたい事が有るの~」

 神否荘のトイレから出てくると、マナさんが心細げな表情でスマフォーンを握り締めてる姿が視界に飛び込んで来た。
「おっ、何でしょう?」スマフォーンで何か困ってるのかな?
「やっぱりダメかしら……?」どんどん心細くなっていくマナさんだ。
「ダメじゃないです教えて教えて!」かむひあ! みたいなテンションになっていく俺である。
「そう……」しょんぼりと帰っていくんですけどマナさーん!
「待って待って! 久し振りに俺の声がシャットアウトされてますねこれ! 聞かせてください! マナさんのお願いしたい事!」何でお願いされる側がこんな必死なんだ。
「そこまで言わなくても……」べそべそし始めましたねマナさーん!
「ウオオーッ! 意思疎通が逆転して伝わってるぅーっ! だ、誰か通訳いませんかー!?」俺も必死になってきたぜ!
「えっ、本当? 有り難う亞贄君……!」
 ぱぁーっと表情が明るくなったマナさんだけど、その返答がどこに繋がっているのか分からない俺は「お、おん。えぇと、それで何でしたっけ……?」としかもう答えられないぜ……
「それがね、お願いしたい事が有るの」スマフォーンを握り締めて俺を見つめてるマナさんだ。
 ゴクリ、と生唾を呑み込んで、全身全霊で身振り手振りを交えて頑張るぜ俺は……!
「イイ! ですよ!!」無駄にポーズも決めるぜ!
「ぷふっ。亞贄君って、面白い子ね」
「……」
 俺もう今日これで帰っちゃダメかな??
 そんな訳にも行かないのでマナさんと頑張って意思疎通チャレンジを続ける事にしたぜ俺は。褒めてくれ。
「スマフォーンの問題なんですか?」スマフォーンを指差してみる。
「えぇと、違うのよ」ふるふると小さく頭を振るマナさん。
「ん? じゃあ……?」何でスマフォーンを握り締めてるの?
「スマフォーンの問題なの」
「……」
 意思疎通って、難しいなぁ……!
 もうどう形容したら良いのか分からない感情が止め処なく溢れ出てくるけど、俺は必死に俺を律するよ俺は。理性が本能にボッコボコに殴られてるイメージだ。
「スマフォーンが何か……?」
「スマフォーンにね、みんなとチャットできるアプリ、ルァインを入れたんだけどね、誰も入れてない事に気づいたの……」
「お、おん……」
「亞贄君には、みんなのスマフォーンにルァインを入れてきてほしいの。お願いね」
「え?」
 マナさんが自室に帰って行かれた。
 取り残された俺は、俺は……もう帰って寝ちゃダメかな??

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れさまですvv

    2ヶ月ぶりぶり!
    それでも実家に戻ってきたようなこの安心感!これぞ神否荘!!

    今回もめっちゃハードル高そうなミッションだけど果たして…
    まぁ、なんとかなっちゃうんだろうなw

    ドブネズミ★ゴリ蔵

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想コメント有り難う御座いまする~!

      2ヶ月ぶりり!
      実家のような安心感が維持できてて良かった…!!w

      確かにめっちゃハードル高いミッションですなこれwww
      何とかなる事をお祈りください…!(笑)

      ドブネズミ★ゴリ蔵キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!wwwww
      お気に入りワードがまた増えましたね…!www

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!!
      次回もぜひぜひお楽しみに~!!

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